現在、企業の法令遵守が大きく問われる。いったん社会的ルールを破ったことが明るみに出ると、信頼回復は非常に難しい。近年国内外において企業の不祥事が相次いで発覚している。企業不祥事の怖いところは、その対処の仕方を誤ると、最悪、企業破綻につながりかねない点である。その背景として二つの原因が考えられる。
一つ目は株価問題である。不祥事で株価が暴落し、株価不安から経営負担へとつながり、市場の信用を失い締め出される企業の例は少なくない。株価大暴落はその企業に投資している投資家に大きな損失を及ぼす。以下は最近不祥事を起こした企業の株価の動向を示したものである。
まずは2000年6月に起きた雪印乳業による集団食中毒事件である。会社の存続すら危ぶまれるところまで追い詰められた雪印乳業は結局それを過去の教訓として活かすことができずにグループ企業である雪印食品の不祥事をも招く結果となった。最終的には雪印乳業は解散し、乳業の株価も暴落し、再建策も窮地に追い込まれている。
雪印乳業の株価変遷
次は西部鉄道の株価の動きである。同社は有価証券報告書に大株主の持ち株比率を過小表記し、同事実の発表前に保有株を売却した筆頭株主のコクドとともに証券取引法が禁止する有価証券報告書の虚偽記載とインサイダー取引に関与した疑いがある。株価は連続でストップ安を更新し、21年ぶりの安値となった。
西武鉄道株の動き
二つ目の背景としては日本経済が成熟化したことである。一つの製品、サービスにさまざまな企業が参入し、お互いしのぎを削る厳しい競争を繰り返している。そのような中では一企業の力は相対的に後退する。なぜなら、ある企業が不祥事を起こすと、消費者はすぐに他の企業の同じような製品・サービスに簡単に乗り換えることができるからだ。
企業のコンプライアンス
現在、企業の法令遵守が大きく問われる。いったん社会的ルールを破ったことが明るみに出ると、信頼回復は非常に難しい。近年国内外において企業の不祥事が相次いで発覚している。企業不祥事の怖いところは、その対処の仕方を誤ると、最悪、企業破綻につながりかねない点である。その背景として二つの原因が考えられる。
一つ目は株価問題である。不祥事で株価が暴落し、株価不安から経営負担へとつながり、市場の信用を失い締め出される企業の例は少なくない。株価大暴落はその企業に投資している投資家に大きな損失を及ぼす。以下は最近不祥事を起こした企業の株価の動向を示したものである。
まずは2000...