はじめに
本書は、考古学に携わる上での基本的事項が簡潔に纏められており、自分のような考古学を志す者にとっての入門書だと思う。しかも、すでに発掘等の体験をしている場合には、考古学における目的やその意義、技術の内容に関してより理解を深められるようになっている。無論自分もそのような経験は僅かながら積んでおり、これまでの自分の経験を再確認することにもなった。今回は、調査の方法に関して自分の携わった中での調査を振り返りながら、述べようと思う。
『考古学の方法』について
はじめに
本書は、考古学に携わる上での基本的事項が簡潔に纏められており、自分のような考古学を志す者にとっての入門書だと思う。しかも、すでに発掘等の体験をしている場合には、考古学における目的やその意義、技術の内容に関してより理解を深められるようになっている。無論自分もそのような経験は僅かながら積んでおり、これまでの自分の経験を再確認することにもなった。今回は、調査の方法に関して自分の携わった中での調査を振り返りながら、述べようと思う。
1.調査
私は昨年度の8月、埼玉県白岡町の上小笠原遺跡の調査に参加した。上小笠原遺跡は、縄文時代後期の遺跡で直径10メートルの住居跡が発見され話題となった遺跡である。準備調査には参加できなかったものの、本調査の最初から参加した。すでに準備調査による試掘から、地下1メートルまでは重機による土砂の除去を行った。重機による作業は、非常に短時間で終了したが、重機によって削られた面において遺構が検出されてしまった。このような形で遺構が破壊されることは避けなければならないと考えられる。
次に、10メートルおきに基準となる杭を打っていく。こ...