①暗記に頼った題材で、学習者を「理解した」状態に導くための工夫
テキストに出された例のように、「インディアンの居住地区」と「インディアンの住居形式」をそれぞれ結び付けて覚えることは、単純な機械的学習である。この場合、「アメリカ北西部」と質問されれば対応するインディアンの住居形式を答えることはできるようになるが、それがなぜなのかといった理由や、居住地区の他の情報など周辺の知識が全くないため、質問の形式が変わっただけで答えられなくなってしまう学習者が多い。1対1の機械的学習で暗記したものは「理解した」と言うことはできない。
暗記した個別の項目を理解したと言うためにはその項目同士の隙間を、そこに書かれていない知識で埋めていくことが必要である。項目間を埋めていくことを「有意味化」と呼び、覚えるべき個別の項目を「個別的知識」、個別的知識を説明する科学の法則や広い範囲での一般化されて知識を「法則的知識」、そして、法則的知識と個別的知識を結びつける知識を「接続用知識」と呼ぶ。
例えば、日本国内の住居の写真を見比べると、北海道と沖縄の住居では形に大きな違いがある。北海道の住宅は、急勾配で板葺きの...