目的
酸化物高温超電導体の電気抵抗の温度依存性(温度によってどのように変化するのか)を測定し、超伝導状態に対する理解を深める。
原理
一般に、金属の電気抵抗は温度を下げると小さくなり、半導体や絶縁体の電気抵抗は温度を下げると大きくなる。いくつかの金属は低温で超伝導状態に転移し、この超伝導状態では、完全導電性(電気抵抗がゼロ)、完全反磁性(超伝導体内部の磁束密度を排除する性質:マイスナー効果)の特徴を示す。
常伝道状態から超伝導状態に変わる温度は物質に固有であり、この温度を超伝導転移温度と呼ぶ。古くから知られている金属の超伝導転移温度は極低温の温度範囲であり、超伝導状態を出現させるためには高価な液体ヘリウム(-269度、4.2k)などが必要であったが近年液体窒素温度(-196度、77.4k)以上でも超伝導状態になる酸化物が発見され注目されている。本実験では4端子法による電気抵抗の測定を行い、超伝導の抵抗が低温で0になること(完全導電性)を検証する。
3、使用器具
試料容器(超伝導体を封入)、電気抵抗計測装置、デジタルマルチメーター(温度計測装置)、試料冷却用低温容器(魔法瓶)...