1. 道徳性とは
道徳性とは道徳の本性である。また、人格・判断・行為などが道徳的であることと一般に述べられている。カントは外的行為が外面的に道徳法則にかなっているにすぎない適法性と区別して、意志そのものまで道徳法則に規定されている場合に道徳性を認めた。ヘーゲルは客観的・普遍的な人倫と区別して、主観的意志の法を道徳性と呼んだ。以上から道徳性の本質は個人の意思が道徳法則に準じているかどうかによって決定されるといえよう。
2. 道徳教育の意義とその問題点
道徳性の特徴としては、個人の成長段階に応じて変容することが挙げられる。つまり他律的道徳から自律的道徳へと発達していくのである。児童期前期において個人の道徳的行為を規定するものは主として客観的な規則、具体的には快と苦の原則、支配と服従の原則、仲間集団の規律などであり、児童期後期から青年期にかけての道徳的行為は自律的になり個人の内部の価値によって規制される。前述した通り、道徳性が成熟されるためには主観的意思が道徳法則にかなっていることが重要な意味を持ち、その意思に多大な影響を及ぼす精神の涵養こそが道徳教育の目的といえるであろう。
学習指導要領によると、小学校における道徳教育の目標は、「第1章総則の第1の2に示すところにより,学校の教育活動全体を通じて、道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養うこととする。道徳の時間においては,以上の道徳教育の目標に基づき、各教科、特別活動及び総合的な学習の時間における道徳教育と密接な関連を図りながら、計画的、発展的な指導によってこれを補充、深化、統合し、道徳的価値の自覚を深め、道徳的実践力を育成するものとする。」と述べられている。中学校においてはこれの最終文に「人間としての生き方についての自覚を深め…」と加えられる。
道徳性とは
道徳性とは道徳の本性である。また、人格・判断・行為などが道徳的であることと一般に述べられている。カントは外的行為が外面的に道徳法則にかなっているにすぎない適法性と区別して、意志そのものまで道徳法則に規定されている場合に道徳性を認めた。ヘーゲルは客観的・普遍的な人倫と区別して、主観的意志の法を道徳性と呼んだ。以上から道徳性の本質は個人の意思が道徳法則に準じているかどうかによって決定されるといえよう。
道徳教育の意義とその問題点
道徳性の特徴としては、個人の成長段階に応じて変容することが挙げられる。つまり他律的道徳から自律的道徳へと発達していくのである。児童期前期において個人の道徳的行為を規定するものは主として客観的な規則、具体的には快と苦の原則、支配と服従の原則、仲間集団の規律などであり、児童期後期から青年期にかけての道徳的行為は自律的になり個人の内部の価値によって規制される。前述した通り、道徳性が成熟されるためには主観的意思が道徳法則にかなっていることが重要な意味を持ち、その意思に多大な影響を及ぼす精神の涵養こそが道徳教育の目的といえるであろう。
学習指導要領によると、小学...