教育の目的の歴史的変遷について述べよ。
⇒欧米における教育目的・内容の源流は古代ギリシア・ローマにまで遡ることができる。
ギリシアのスパルタではもともと少数の自由民が多くの奴隷の支配をしており、かつ彼らは外敵と戦わなければならなかったため、よき戦士の教育が理想とされていた。このような状況下では、国家のための軍事教育がすべてに優先していた。子どもたちに対しては7歳までは家庭で教育を行い、それ以後30歳まで国家の管理下に置いた。このような教育は主として男子に対してなされたが、女子に対しても銃後の守りの教育、つまりよき戦士の母となるための教育がなされていた。この結果、スパルタでは自分の子どもが戦死して盾の上に乗せられて帰ってくると、その母親は嘆き悲しむよりはわが子を誇りに思うことが美徳とされてきた。
また、アナテイでは、少人数の自由民による奴隷支配と言う状況はスパルタと変わらなかったが、スパルタほど自由民が少なくなかったせいか、スパルタのように家庭教育が崩壊されることはなかったし、その教育目的は単によき戦士たるばかりではなく、精神面・肉多面の調和の取れた人間を養成することにも力点がおか...