1.物品運送人と荷送人の間には物品運送契約が締結される。この契約は、運送という業務の完成を目的としていることから、請負契約の性質を有する(民法632条)。運送人は、運送契約に基づいて運送品を運送し、到達地において荷受人または貨物引換証の所持人に引き渡す義務を負っており、運送という業務が完成したときは、特約がなくても荷送人に対して運送賃を請求することができる。
(商法512条)他方、荷受人とは、荷送人によって指定され(商法570条2項3号)、到達地において運送品の引渡しを受けるべき者である。
2.荷受人の地位について
運送契約の当事者は荷送人と運送人であり荷受人は運送契約の当事者ではない。しかし、運送の進行に伴い、荷送人が運送契約上で有する同一の権利と義務を負担することになる。
但し、貨物引換証が発行されると、荷受人の地位は荷送人の地位とともに貨物引換証所持人の地位に吸収される。
3.荷送人と荷受人の権利義務について
①運送品が到達地に到達する前は、荷受人は運送人に対していかなる権利義務も有しない。この段階では荷送人のみが運送品の処分権を行使できる(商法582条1項)。
②運...