多元社会論 日本的な『承認』の不成立状況は、実は、「配分」の不公正・不平等と表裏一体か否か?

閲覧数1,985
ダウンロード数2
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員1,100円 | 非会員1,320円

    資料紹介

    『日本的な『承認』の不成立状況は、実は、「配分」の不公正・不平等と表裏一体か否か?』
    ~秋葉原無差別殺傷事件から「配分」と「承認」を考える~

    (1)はじめに
     一昨年の秋葉原における無差別殺傷事件は、世の中に衝撃を与えたとともに、格差社会や特に若者をめぐる不安定雇用の問題について議論がなされるようになった。また、男は事件前に複数回に渡ってネット掲示板に無差別殺傷事件の予告を書き込みし、他者からの返答を期待した行為は、自分の存在意義を見出そうとする「承認」の行為であったと考えられる。
     小稿では、はじめにキーワードとなる「配分」や「承認」についてフレイザーの論文を手がかりとしてそのあり方を考えたい。そして、秋葉原無差別殺傷事件を例にあげて、日本的な承認の不成立状況とは何か、また不成立状況を引き起こす背景には何があるのか、そうした事実は経済的「配分」の不公正や不平等と表裏一体であるか否かを述べる。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    平成21年8月14日

    多元社会論
    テーマ:『日本的な『承認』の不成立状況は、実は、「配分」の

    不公正・不平等と表裏一体か否か?』

    ~秋葉原無差別殺傷事件から「配分」と「承認」を考える~
    (1)はじめに

     一昨年の秋葉原における無差別殺傷事件は、世の中に衝撃を与えたとともに、格差社会や特に若者をめぐる不安定雇用の問題について議論がなされるようになった。また、男は事件前に複数回に渡ってネット掲示板に無差別殺傷事件の予告を書き込みし、他者からの返答を期待した行為は、自分の存在意義を見出そうとする「承認」の行為であったと考えられる。

     小稿では、はじめにキーワードとなる「配分」や「承認」についてフレイザーの論文を手がかりとしてそのあり方を考えたい。そして、秋葉原無差別殺傷事件を例にあげて、日本的な承認の不成立状況とは何か、また不成立状況を引き起こす背景には何があるのか、そうした事実は経済的「配分」の不公正や不平等と表裏一体であるか否かを述べる。
    (2)「配分」と「承認」のあり方とその関係

     フレイザーは経済的再配分の不公平は、社会の政治経済構造に根差していると述べ、「搾取、経済的周...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。