「近代以降の日本の農業の地域的変容と現代の農業問題を簡潔にまとめ、自分の住む都道府県における農業問題とその要因について、地図や図、表・写真を2枚以上用いて論述せよ。」
日本の農業の地域的変容
日本の産業構造を見ると、2000年、第一次産業は就業人口の2%程度、国内総生産の1%程度となっており、影響の小さい産業となっている。
しかし、第一次産業は、高度経済成長開始の1960年までは、第二次・第三次産業を迎えても最も卓越した産業であり、「農業国」であった。
江戸時代は、『徳川時代に於ける農業の諸類型』では、日本の農業を農業技術・労働集約度・貨幣経済の浸透度・身分関係・家族制度・土地配分の状態等を指標として、分析し、「東北日本型」「西南日本型」の2つに分別している。「東北日本型」は、自給率で流通経済の発展しない地主または名子経営が卓越している。刈敷・人糞等を使用して、小作地率も高く、より粗放的という特徴があり、西南日本の先進性を指摘している。
明治以降は、『日本資本主義分析』では、日本の農業を「東北型」「西南型」に分類し、「東北型」は隷農的定雇を持つ、半隷農的農業で、再生産が農村内で営まれる...