『象徴機能の発生について説明せよ。(説明には子どもの行動についての具体的研究例も提示する)。また、教育との関連で大切な点を説明しなさい。』
『象徴機能の発生について説明せよ。(説明には子どもの行動についての具体的研究例も提示する)。また、教育との関連で大切な点を説明しなさい。』
記号的意味作用において、あるものを、それとは異なるもので代表させる働きを「象徴機能」、もしくは「代表化機能」という。前者は指示対象、後者は象徴、または象徴体と呼ばれる。両者が異なるものでありながら指示関係をもつのは、「象徴体」と「指示対象」のそれぞれについての表象が心内において形成され、結びつけられるからである。従って信号や標識(指標)による記号的意味作用は乳児初期から成立するが、「象徴機能」の発現、表象の形成と同じ、生後1年半頃を待たねばならない。ピアジェによれば、それに先立つ感覚運動期における「遊び」と「模倣」の発達が「象徴機能」を準備するとしている。ピアジェは以下の例を挙げて、思考の発達段階説で1歳半頃から象徴機能が生じることを説明している。“枕カバーの縁飾りを掴んで寝るのが習慣であった女児が、たまたま母親の下着の縁飾りを掴むと、横になって寝る真似をした。”この例では母親の下着の縁飾りが「象徴」として機能している。「象徴機能」は、指示対象が...