第二次世界大戦後に行われた家制度の廃止や、高度経済成長期の産業化や都市化、また少子高齢化等により、単独世帯や夫婦世帯、ひとり親世帯等の増加や共働き家庭の増加など家族の多様化が進んでいる。そして本格的な高齢社会へと突入した現代の日本家族は、その構造とともに機能も大きく変化してきている。その変容は①家族形態の変化②家族周期の変化③家族の個人化と家族意識の変化④家族機能の外部化から見ることができる。以下、この家族変化の諸相について述べる。
1.家族の変容
①家族形態の変化
家族規模の縮小と家族構成の単純化が指摘できる。1960年以降、総世帯数は著しく増加し、1つひとつの世帯が小規模化
第二次世界大戦後に行われた家制度の廃止や、高度経済成長期の産業化や都市化、また少子高齢化等により、単独世帯や夫婦世帯、ひとり親世帯等の増加や共働き家庭の増加など家族の多様化が進んでいる。そして本格的な高齢社会へと突入した現代の日本家族は、その構造とともに機能も大きく変化してきている。その変容は①家族形態の変化②家族周期の変化③家族の個人化と家族意識の変化④家族機能の外部化から見ることができる。以下、この家族変化の諸相について述べる。
1.家族の変容
①家族形態の変化
家族規模の縮小と家族構成の単純化が指摘できる。1960年以降、総世帯数は著しく増加し、1つひとつの世帯が小規模化した。平均世帯員数は、1955年の平均5人前後から2000年には2.67人へと急減している。 家族構成については、直系家族世帯の比率が低下し、核家族世帯及び単独世帯が増加傾向にある。直系家族世帯は1920年には約31%あったものが1995年には11.2%まで低下している。核家族世帯は1980年の60.3%をピークにやや低下傾向にある。核家族世帯の増加率は止まったが、その理由の1つは単独世帯の増加が著しい為で...