『「四つの四重奏曲」について、あるテーマを選んで論述せよ。』
タイトル「永遠の扉を開く旅」
「四重奏」四曲の最後を飾る「リトル・ギディング」に焦点をしぼって、論じてみたい。この詩はこれまでの三つの詩を総括したような内容になっている。これまでの様々な主題、イメージがこの詩の中に凝集され、特に終りなき旅の終り、また出発点にしてかつ終りであるといった宗教的境地にまで高められたものが描かれている。
『「四つの四重奏曲」について、あるテーマを選んで論述せよ。』
タイトル「永遠の扉を開く旅」
「四重奏」四曲の最後を飾る「リトル・ギディング」に焦点をしぼって、論じてみたい。この詩はこれまでの三つの詩を総括したような内容になっている。これまでの様々な主題、イメージがこの詩の中に凝集され、特に終りなき旅の終り、また出発点にしてかつ終りであるといった宗教的境地にまで高められたものが描かれている。
第1楽章は三つに分かれ、その冒頭はフェラーの礼拝堂へ向かう途中の光景である。落日によって赤々と照らされた白一色の冬景色が表現される。静かにこの輝きを見つめながら、その光景に精霊と火とを投影する。春になり、木々の中の樹液が生々と循環しだすように、魂が大いなる力におののいているのである。「五旬節の火が一年のこの暗い季節に燃えている。」という一文で、真冬にも春がよみがえり、夏の到来の望みある根拠が暗示されている。この火は、この後何度も繰り返され、その都度意味を深めながら、音楽的効果を高めていく。この詩は決して冬を単純に否定するものではない。霊魂は不毛で死んだ状態を象徴する真冬にあるが、太陽に象徴され...