A Tale of Two Cities
(概要)
『A Tale of Two Cities』は1859年に発刊された、チャールズ・ディケンズ(1812~1870)の長編小説である。ディケンズはこの作品のほかに孤児であるオリバーの成長を描いた『オリバー・ツイスト』やクリスマスを描いた作品の中でももっとも有名であると言われる『クリスマスキャロル』など数々の作品を残している。
「パリの城外、バスティーユ監獄に無実の罪で18年投獄されていた、マネット医師を救出すべく、ロンドンの銀行家と、医師の娘がドーバーからパリに向かった。」物語はそこから始まる。そして、ストーリーは1775年からスタートする。イギリスはジョージ3世の時代。そう、産業革命が進行しつつある激動の時代であるその時代の銀行員の仕事振り、裁判の様子、墓荒らしの生態が活き活きと描写されている。一方、フランスはルイ16世(在、1774~92)の時代。1789年の大革命が間近に迫っている。その時代のパリの風景。酒樽が荷台から落ち、道路にぶちまけられた赤葡萄酒に群がる貧しい人々。ついには、サン・デヴレモンド侯爵が労働者の子供を馬車で轢き...