「二人のフリーダ」に関する考察
1939年にフリーダ・カーロによって描かれた「二人のフリーダ」について考察する。
フリーダは六歳の時に小児麻痺の影響で、右足が痩せ細り、友人達にそのことをからかわれた。この体験のせいで、「フリーダは次第に自分だけの想像の世界に遊ぶようになり、自分で作り上げた空想の分身と、その中で会話を楽しんだ。(堀尾、1991:19)」。そして、このことが後に「二人のフリーダ」を生む要因となったようだと述べた上で、堀尾はこう続けている。
社会に対する過剰な防衛本能は、容赦ない攻撃的な性格を作り出したようだ。現実と、夢想の世界と、二つに引き裂かれた自己をひとつに融...