コーポレート・ガバナンスとは、企業統治と訳され、企業における意思決定の仕組みのことをさす。1990年代半ば以降に企業の不祥事が多発したことから、企業運営の監督、監査の必要性が認識されるようになり、注目を集めるようになりました。
近代資本主義では、企業といえば株式会社のことを指し、株式会社制度の特徴は、株主が資金を出し合い会社を設立し、会社の経営は専門家である取締役、経営者に委託する。取締役は株主総会で選ばれ、取締役会のメンバーとして企業の運営を決定する。株主は資金を提供した見返りとして配当金と受け取り、所有と経営の分離が広く行われる。
このような株式会社制度は長年にわたりうまく機能していたが、アメリカのエイロン、ワールドコムなどの大企業の不正経理事件の影響で結果的に企業を破綻に追いやった。
アメリカでは1980年から1990年にかけて株価の上昇が続いていたが、2000年のITバブル崩壊で一気に見えていなかった制度上の影の部分が噴出した。
これとほぼ同じ時期に日本では、金融界における規制緩和の動き、世界経済のグローバル化、IT革命の進行など、日本企業の経営を取り巻く環境は大きく...