被疑者ノートの活用方法

閲覧数2,737
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    問題
      弁護士は身柄拘束中の被疑者Aに、被疑者ノートの作成を求めた。弁護士甲は本件被疑者ノートを証拠調べ請求しようと考えている。どのような理由で請求し、どのような方策をとるべきか。
    解答
    (1)弁護士は、どのような理由で証拠調べ請求するべきか。
      前提として、被疑者ノートがどのような性質を有するのか明らかにする。この点被疑者ノートは、捜査機関からの取調べをその日時・場所・時間・供述内容等詳細に被疑者が記録することで、被疑者側からの取調べの可視化を実現しようとする趣旨のものである。被告人作成の供述書である。
      次に被告人Aは、被疑者段階で痴漢という犯罪事実の一部を認めるに至っており、これは自白といえる。とすれば、検察官提出の供述録取書は法319条(自白法則)により任意性が肯定されなければ証拠能力はない。そして、かかる供述録取書は伝聞証拠であることから、被告人の不利益供述として法322条の要件を充足して初めて証拠能力を認められることとなる。
    そこで、被疑者ノートを用いて任意性を争う方法として、①なぜ被疑者段階で虚偽の供述に至ったのか、供述録取書の自白の任意性を覆す為に任意性不存在を要...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。