地域研究において、その大きな立場・思考として、学際的認識と総合的認識とが存在する。このうち総合的認識は、研究対象を全体像として体系化するために、政治・経済・宗教など、内部の様々な要素とその関連性を探るものである。その過程で重要なことは、研究者の視点から対象を見るのではなく、内部の論理によって説明・分析することである。その際に用いられるのが、「文化主義的アプローチ」である。
文化主義的アプローチとは、対象を文化のフィルターを通して理解する分析方法である。つまり、対象地域で起こった事象などを分析する際、その因果関係を対象内部における文化の性格や価値観の中から見出すのだ。
研究者が自身の属する社会以外を研究する場合、両者の社会間には、必ず歴史・地理・宗教・一般的常識などといった文化の相違が存在する。そのため、文化主義的アプローチを意識せずに研究を行うと、様々な事柄の意味合いや影響、またその事柄自体を、研究者自身の尺度で認識することになる。この認識は、その事象をさらに評価・判断しようという作用を持つ。これに対し、文化主義的アプローチでは、分析結果を対象地域の尺度や文化の文脈に求めるため、全ての事柄がその社会における当然の帰結であるという認識にしか至らず、その評価・判断を行わない。この点が、他の分析手法とは異なる最大の特徴である。
地域研究において、その大きな立場・思考として、学際的認識と総合的認識とが存在する。このうち総合的認識は、研究対象を全体像として体系化するために、政治・経済・宗教など、内部の様々な要素とその関連性を探るものである。その過程で重要なことは、研究者の視点から対象を見るのではなく、内部の論理によって説明・分析することである。その際に用いられるのが、「文化主義的アプローチ」である。
文化主義的アプローチとは、対象を文化のフィルターを通して理解する分析方法である。つまり、対象地域で起こった事象などを分析する際、その因果関係を対象内部における文化の性格や価値観の中から見出すのだ。
研究者が自身の属する社会以外を研究する場合、両者の社会間には、必ず歴史・地理・宗教・一般的常識などといった文化の相違が存在する。そのため、文化主義的アプローチを意識せずに研究を行うと、様々な事柄の意味合いや影響、またその事柄自体を、研究者自身の尺度で認識することになる。この認識は、その事象をさらに評価・判断しようという作用を持つ。これに対し、文化主義的アプローチでは、分析結果を対象地域の尺度や文化の文脈に求めるため、全...