学習指導や、その前提となる学習指導案を充実したものにするためには、指導や計画に先がけて行われる教師の教材研究が大切である。教材研究には、2つのものがあり、1つは教材を開発し作成するためについて研究するもの(教材開発)ともう1つは教材の形になっているものを、授業を前提に研究するもの(教材解釈)がある。前者は指導内容そのものを研究し、教材として組織化、創り出す研究作業である、指導目標に照らした教材開発である。後者は多様な形態で教材が存在するので、それぞれの特性に対応した研究が求められる。次に、教材研究をどのように進めていくべきか、大切にしなければならないことを具体的に5つの視点から考えてみる。
①目標の明確化と具体化
小学校学習指導要領の社会科の教科目標には、「社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う」とある。教材研究は、単元目標や内容を構成する作業も含まれる。社会科の教科目標は学年目標、単元・小単元・題材の目標とつながっていくが、それぞれの目標を関係的に把握することである...