第11回 レポート課題 「故意」
ケース
アメリカ合衆国国籍のXは、Yに脅迫されて、台湾から航空機で覚せい剤約3000グラムを腹巻のなかに隠して運び、成田空港を経由して本邦内に密輸入した。Xには、それが覚せい剤だという認識はなかったが、その形状や感触等から、少なくともそれが「日本に持ち込むことを禁止されている違法な薬品である」という認識があった。Xは、覚せい剤輸入罪(覚せい剤取締法41条1項)で処罰されるか。
今回のケースで問題となるのは、Xは自らが日本国内に持ち込んだ薬品が、日本国内に持ち込みが禁止されているものであると認識し...