訴訟物論争について

閲覧数9,530
ダウンロード数5
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    訴訟物とは審判の対象となる権利関係のことをいう(狭義の訴訟上の請求)。
    法は、裁判所は当事者の申し立てた事項についてのみ審判できる(民事訴訟法246条)と規定しているところ、訴訟物が特定されなければ裁判所は審理を開始することができない。この趣旨は当事者の不意打ちを防止する点にある。すなわち、訴訟物が特定されることによって、審理の目標が設定され、当事者はいかなる攻撃防御方法を展開すればよいの
    かが明確になるため、訴訟物に合わせた訴訟追行が可能となり、もって当事者権が十分に保障されるのである。
    また、訴訟物は客観的併合(136条)、訴えの変更(143条)、二重起訴の禁止(142条)、既判力の客観的範囲(114条1項)等の訴訟上の制度における判断基準として
    機能している(特に、上記4つについては、訴訟物の4つの試金石といわれている)。
    第二 旧訴訟物理論と新訴訟物理論
    一 給付訴訟と形成訴訟の訴訟物の特定基準をめぐって、いわゆる旧訴訟物理論と新訴訟物理論の対立がある(なお、確認訴訟については、訴訟物は実体法上の権利・法律関係の
    主張(例えば所有権)であることにつき争いはない。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    訴訟物論争について
    第一 訴訟物とは
    訴訟物とは審判の対象となる権利関係のことをいう(狭義の訴訟上の請求)。
    法は、裁判所は当事者の申し立てた事項についてのみ審判できる(民事訴訟法246条)
    と規定しているところ、訴訟物が特定されなければ裁判所は審理を開始することができな
    い。この趣旨は当事者の不意打ちを防止する点にある。すなわち、訴訟物が特定されるこ
    とによって、審理の目標が設定され、当事者はいかなる攻撃防御方法を展開すればよいの
    かが明確になるため、訴訟物に合わせた訴訟追行が可能となり、もって当事者権が十分に
    保障されるのである。
    また、訴訟物は客観的併合(136条)、訴えの変更(143条)、二重起訴の禁止(1
    42条)、既判力の客観的範囲(114条1項)等の訴訟上の制度における判断基準として
    機能している(特に、上記4つについては、訴訟物の4つの試金石といわれている)。
    第二 旧訴訟物理論と新訴訟物理論
    一 給付訴訟と形成訴訟の訴訟物の特定基準をめぐって、いわゆる旧訴訟物理論と新訴訟
    物理論の対立がある(なお、確認訴訟については、訴訟物は実体法上の権利・法律関係の
    主...

    コメント1件

    nietzsche 購入
    新旧訴訟物理論の其々の立場について、主張と反論によって分かりやすくまとめてあります。多少まとめ過ぎな感もあるので基本書と併せて使ってみてはいかがでしょうか。
    2007/07/31 6:05 (17年4ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。