商品と市場の安全性について述べる。消費生活を円滑に維持するためには、商品や市場システムの安全性確保は重要である。そこで、商品の安全確保の活動がどのように実践されているかを考察する。
消費者の権利を確保する視点に基づき、1968年に「消費者保護基本法」が成立した。ここでは、商品の安全性は、消費者の権利として、社会的必然性を持って認識されることとなったのである。
そして、平成16年6月にこの「消費者保護基本法」が36年ぶりに改正され、「消費者基本法」となったのである。高度情報通信の進展や人々のライフスタイルの多様化、救済活動の成熟化など、消費者を取り巻く社会経済情勢の変化に対応し、現代社会にふさわしいものと生まれ変わったのである。
「安全である権利」や「知らされる権利」など、本来どれも当たり前のことのように思えるが、こうした権利は、従来の法律には明記されていなかったのである。しかし、消費者基本法には、基本理念として次のような内容で消費者の権利が明記された。
①安全が確保される権利、②必要な情報を知ることができる権利、③適切な選択を行える権利、④被害の救済が受けられる権利、⑤消費者...