1. はじめに
本稿ではこのニートについて『労働経済白書』(厚生労働省)「労働力調査」(総務省)、「国勢調査」(総務省)、「就業構造基本調査」(総務省)などの調査資料を統計的に分析していき、実態を明らかにしていきたい。
統計から見たニート(NEET)
はじめに
わが国はこれまで、若者のスムーズな移行を支えるシステムを持つ国として国際的に評価されてきた。それは、学校の組織的な支援の下に、卒業するかなり前から求職活動をし、卒業と同時に安定した正規の職を得るという、新規学卒就職・採用のシステムである。
しかし、90年代初めの景気後退以降、新規学卒者への企業の採用意欲は大幅に減退してしまった。同時に若年失業率も急上昇し、特に15~24歳の男性では11%を超える高水準となっている。また、同時に増加したのが、フリーターである。その数は217万人に達し、10年ほどで倍以上になっているという(厚生労働省2004)。
これだけでなく、求職活動をしていない無職の若者も増加している。これがいわゆるニートである。最近このニートが急激に増え、52万人と推計されている(厚生労働省2004)。
本稿ではこのニートについて『労働経済白書』(厚生労働省)「労働力調査」(総務省)、「国勢調査」(総務省)、「就業構造基本調査」(総務省)などの調査資料を統計的に分析していき、実態を明らかにしていきたいと思う。
ニートの定義
ニー...
あとは文中に「図○を見ると…」とあるのに図がないのが残念でした。