日本の都市におけるコンベンション・ビジネス振興の重要性について
●はじめに
50年代後半日本では都市の全体像として、あるいは都市経営の手法としての「コンベンション・シティ」ブームがあった。その影響で昭和60年前後から「コンベンション」の声が発せられている。例の都市としては松本(36年)、松山(51年)、宮崎(54年)、鹿児島(53年)、沖縄(50年代)等があり、これらの観光都市はタイプは違うが、観光都市もしくは観光地を控えた都市という共通項がある事がわかる。つまり、収入性の高い「団体観光客」の誘致という目的がそれである。
または、産業振興がそもそもの目的であったが、実際は各種のショーやイベントを導入して施設の多角利用を図っているので催事系(イベント)と同義である展示会系(メッセ)のコンベンション機能がコンベンション・シティを生み出したかもしれない。
そこで、私はコンベンション的なビジネスが日本の都市ではどう動いているかを考えてみることにしたのである。
● 日本における観光の位置づけ
毎年大幅な貿易黒字を計上している日本では、国際観光振興への取り組みは、諸外国での対応とはかなり異なっている。すなわち、運輸省の「テン・ミリオン計画」(参1)に見られたように、国民の海外旅行の振興(外資流出)は貿易収支のアンバランスを改善する一つの手段として位置付けられる傾向がある。一方、外国人旅行者の位置促進においては国際交流の活発化・相互理解の促進が主たる目的とされ、外貨獲得の側面は重視されてはいない。
都市計画論Ⅱレポート
日本の都市における
コンベンション・ビジネス振興の重要性について
日本の都市におけるコンベンション・ビジネス振興の重要性について
はじめに
50年代後半日本では都市の全体像として、あるいは都市経営の手法としての「コンベンション・シティ」ブームがあった。その影響で昭和60年前後から「コンベンション」の声が発せられている。例の都市としては松本(36年)、松山(51年)、宮崎(54年)、鹿児島(53年)、沖縄(50年代)等があり、これらの観光都市はタイプは違うが、観光都市もしくは観光地を控えた都市という共通項がある事がわかる。つまり、収入性の高い「団体観光客」の誘致という目的がそれである。
または、産業振興がそもそもの目的であったが、実際は各種のショーやイベントを導入して施設の多角利用を図っているので催事系(イベント)と同義である展示会系(メッセ)のコンベンション機能がコンベンション・シティを生み出したかもしれない。
そこで、私はコンベンション的なビジネスが日本の都市ではどう動いているかを考えてみることにしたのである。
日本における観光の位置づけ
毎年大幅な貿易黒字を...