キリスト教布教におけるパウロの多大な貢献を知り、またパウロが自身の人生を、さらには現代社会への潮流をも変えたと言えるダマスコ体験以前は、イエスを信じる者たちを激しく迫害していたという事実を知り、私はパウロという人物の人生に興味を抱いた。パウロは、自身も言っているように「生まれて8日目に割礼を受けた」純粋で敬虔なユダヤ教徒であった。ダマスコ体験呼ばれるイエス・キリストの復活を目の当たりにするまでは、ファリサイ派の一員としてキリスト教会を弾圧する立場にいたのである。
しかし奇跡・偶然かと思われる一方、運命的にイエスと接触し人生の転機を迎える。このパウロのダマスコ体験がなく、その後のパウロの布教活動がなかったとしたら、今日の3大宗教としてのキリスト教はなかったであろうし、中世におけるキリスト教内での宗教戦争もなく、今日存在しなかった国もあったかもしれない。そして、パウロにダマスコ体験以前のユダヤ教時代がなければ、そこまで熱心で徹底的な異邦人の使徒としての布教活動はなかったのではないかと思われる。
?.ディアスポラのユダヤ人
パウロは忠実なユダヤ教とである両親の下生まれ、彼らの所属するベニヤミン族の英雄サウロ王にちなんでサウロと名づけられた。パウロは自身の生い立ちについてフィリピ書の中で次のように述べている。
わたしは生まれて8日目に割礼を受け、イスラエルの民に属し、ベニヤミン族の出身で、ヘブライ人の中のヘブライ人です。
生まれは異邦人で成人してから回収して割礼を受けたユダヤ人ではなく、ユダヤ人を両親として生まれた血統正しいユダヤ人である。生まれや血統から、神に選ばれて契約を受けるイスラエルの民に所属するだけでなく、受けた教育と生活習慣においても厳格なユダヤ教徒であると、彼は「ヘブライ人の中のヘブライ人」として誇ることができたのではないだろうか。
パウロの半生
キリスト教布教におけるパウロの多大な貢献を知り、またパウロが自身の人生を、さらには現代社会への潮流をも変えたと言えるダマスコ体験以前は、イエスを信じる者たちを激しく迫害していたという事実を知り、私はパウロという人物の人生に興味を抱いた。パウロは、自身も言っているように「生まれて8日目に割礼を受けた」純粋で敬虔なユダヤ教徒であった。ダマスコ体験呼ばれるイエス・キリストの復活を目の当たりにするまでは、ファリサイ派の一員としてキリスト教会を弾圧する立場にいたのである。
しかし奇跡・偶然かと思われる一方、運命的にイエスと接触し人生の転機を迎える。このパウロのダマスコ体験がなく、その後のパウロの布教活動がなかったとしたら、今日の3大宗教としてのキリスト教はなかったであろうし、中世におけるキリスト教内での宗教戦争もなく、今日存在しなかった国もあったかもしれない。そして、パウロにダマスコ体験以前のユダヤ教時代がなければ、そこまで熱心で徹底的な異邦人の使徒としての布教活動はなかったのではないかと思われる。
Ⅰ.ディアスポラのユダヤ人
パウロは忠実なユダヤ教とである両親の下生まれ、彼...