1970年代の英国は深刻な経済問題に直面していましたが、それらの問題に対してサッチャー首相はどのような政策で挑戦しましたか、成果と問題について述べなさい。
1979年に保守党のサッチャー政権が誕生すると、サッチャー首相は当時イギリスが抱えていた深刻な経済問題に着手し始めた。それは従来の英国社会がとっていた政策からの大きな転換でもあった。まず、彼女が取りかかったのが、インフレ対策である。当時のイギリスの経済政策は、ケインズ理論をとっていた。これは民間投資と民間消費を政府支出によってまかなうという考え方である。しかし、この政策によって国家の財政赤字は増加し、またそれが、民間へ流れ出る通貨量を増加させインフレを助長させていた。そこでサッチャーは貨幣数量説をとりいれた。この考えでは、物価の上下変動は貨幣数量の増減に比例するとし、サッチャーは、政府支出の削減と金利を高くすることで、貨幣量を減少させ物価を引き下げようとした。この政策の結果、1983年にインフレの抑制に成功し、物価の上昇率をおさえることができた。しかし、このインフレ政策によって緊縮財政がすすみ、国内の失業者を急増させてしまった。サ...