まず、幼児期とは、生後1年あるいは1年半から小学校入学前までの時期を指す。この時期のこどもの思考の特徴は、ピアジェの考えによれば、感覚運動的段階が終わり、前操作的段階が主であるという特徴がある。感覚運動的段階は生後から2歳ごろまでで、前操作的段階は2歳から7歳ごろまでであるので、幼児期のこどもの思考の特徴は主に前操作的であるということがいえる。
ピアジェは「操作」という言葉を、論理的構造性を持った思考という意味で用いているが、前操作的段階はつまり、論理的構造性を持つ前の段階といえる。では、前操作的段階にある幼児期の子どもたちは具体的にどのような特徴があるのだろうか。
この時期の子どもの特徴として、1歳半から2歳頃になると、子どもは言葉を使い始め、対象をイメージや言葉で表現するようになる。そして、その言葉や具体的なものを別のものにたとえて考えるようになる。このようにして、ある物を別のもののシンボル化して遊ぶことを見立て遊びといい、幼児期の子どもはしばしば見立て遊びをする。
象徴的に考えることはできるが、まだ思考は論理的に組み立てられているわけではない。例えば、細長いコップの中に入っている水が、底面積が広く太いコップに移しかえられた時に、幼児は水の量が変わったと言う。また、幼児に同じ重さの2つの粘土を見せ、重さが同じであることを確認した後、実験者が一方の粘土の形を変えると、幼児はその過程を見ているにもかかわらず、2つの重さが異なると言うのである。また、クラス包含関係の理解や系列化をすることも不完全である。このように、幼児期の子どもはまだ保存の概念が成立しておらず、また、一つの側面にしか注意を向けることができない。さらに、視覚の印象が思考に大きな影響を与えていることがわかる。
ピアジェの考えに基づく幼児期の思考の特徴
乳児期ならびに児童期との比較
まず、幼児期とは、生後1年あるいは1年半から小学校入学前までの時期を指す。この時期のこどもの思考の特徴は、ピアジェの考えによれば、感覚運動的段階が終わり、前操作的段階が主であるという特徴がある。感覚運動的段階は生後から2歳ごろまでで、前操作的段階は2歳から7歳ごろまでであるので、幼児期のこどもの思考の特徴は主に前操作的であるということがいえる。
ピアジェは「操作」という言葉を、論理的構造性を持った思考という意味で用いているが、前操作的段階はつまり、論理的構造性を持つ前の段階といえる。では、前操作的段階にある幼児期の子どもたちは具体的にどのような特徴があるのだろうか。
この時期の子どもの特徴として、1歳半から2歳頃になると、子どもは言葉を使い始め、対象をイメージや言葉で表現するようになる。そして、その言葉や具体的なものを別のものにたとえて考えるようになる。このようにして、ある物を別のもののシンボル化して遊ぶことを見立て遊びといい、幼児期の子どもはしばしば見立て遊びをする。
象徴的に考えることはできるが、まだ思考は論理...