英米児童文学の解釈 『クマのプーさん』

閲覧数3,864
ダウンロード数15
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     前回、発表用のレポートでも、『クマのプーさん』について書きましたが、今回は続編の『プー横丁にたった家』も含めて解釈していきたいと思います。
     『クマのプーさん』は10話、『プー横丁にたった家』が10話、全20話で構成されています。ほとんどの話が独立していて、どこからでも読めるようになっています。それぞれの話も、そこで何が起こって、どうなったかというストーリーよりも、プーたちが何を考えて、どう動いたかの方が中心になっています。つまり、プーは無い脳みそで突飛なアイデアを出し、コブタは勇気を出して小さな身体を前に押し、フクロは難解な言葉を使い論説し、ウサギは指示を与えるために森中を駆け回ったりします。たとえば、プーは『クマのプーさん』の第1話で、ハチミツをとるために風船にぶら下がる事を思いつきます。コブタは第5話で、ゾゾを捕まえるための落とし穴にひとりで行って、ゾゾがいるかどうかを確かめます。フクロは第4話で、イーヨーのしっぽを探し出すための慣習的処置をプーに聞かせます。ウサギは『プー横丁にたった家』の第3話で、迷子になった友人のチビを探すために、森の住人たち全員を捜索隊として組織します。しかし、これらは全て失敗しています。プーは結局ハチミツをとれず、コブタはゾゾとプーを間違えて、イーヨーのしっぽはフクロの家の呼び鈴の紐にされており、プ−やコブタはウサギの指示通りには動けませんでした。
     このように、『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』の中には、数々の失敗談があります。このことは、これらの話の特徴の1つです。皆、必死で考えていますが、大抵がうまくいきません。その考えは一応の論理をもっています。もちろん、大人のもつような論理性はなく、まだ常識が形成されていない子どもにだけ通用するようなものです。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     前回、発表用のレポートでも、『クマのプーさん』について書きましたが、今回は続編の『プー横丁にたった家』も含めて解釈していきたいと思います。
     『クマのプーさん』は10話、『プー横丁にたった家』が10話、全20話で構成されています。ほとんどの話が独立していて、どこからでも読めるようになっています。それぞれの話も、そこで何が起こって、どうなったかというストーリーよりも、プーたちが何を考えて、どう動いたかの方が中心になっています。つまり、プーは無い脳みそで突飛なアイデアを出し、コブタは勇気を出して小さな身体を前に押し、フクロは難解な言葉を使い論説し、ウサギは指示を与えるために森中を駆け回ったりします。たとえば、プーは『クマのプーさん』の第1話で、ハチミツをとるために風船にぶら下がる事を思いつきます。コブタは第5話で、ゾゾを捕まえるための落とし穴にひとりで行って、ゾゾがいるかどうかを確かめます。フクロは第4話で、イーヨーのしっぽを探し出すための慣習的処置をプーに聞かせます。ウサギは『プー横丁にたった家』の第3話で、迷子になった友人のチビを探すために、森の住人たち全員を捜索隊として組織します。...

    コメント1件

    h05b919d 購入
    ミルンが子どもに込めた思いを考察した点が興味深く、大変おもしろかったです。欲を言えば、もう例示を増やしてふくらませ、分量を増やした方が説得力が増すと思いました。
    2006/02/14 9:47 (18年9ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。