子どもの「思いやり」を育てるために、どのような働きかけをしたらよいか、身体面から具体的に述べること。
子どもに「思いやり」の心を育てるには、まず子どもを「思いやる」こと。口で言って聞かせるものではなく、感じる気持ちの問題なので、しつけの中で最も難しいもののひとつといえる。ゆっくり時間をかけて育まれるタイプのものなので、身体で覚えていくことが不可欠である。そのため、身体への働きかけが、とても効果がある。どのような働きかけをしたらよいのか。
子どもというのは幼ければ幼いほど自己中心的であるが、幼少期の親との関わり合いの中で、少しずつ思いやりの気持ちが生まれてくる。そのため、子どもに「思いやり」の心を育てるには、生まれてすぐから始めなければならない。
赤ちゃんが泣くのは、何らかの不快感があるからで、お母さん、お父さんはそうした赤ちゃんの気持ちを汲んで、不快感の原因がどこにあるかと考えて、それを取り除く。生後二ヶ月ごろから微笑することが多くなる赤ちゃんをあやすことで、赤ちゃんは相手がいることを知るようになり、相手をしてもらいたくて、笑うことが多くなる。そうした親子間の温かい情緒的な関係の中で、子どもには「思いやり」の心が芽生えていく。子どもの気持ちを汲むことのできる親たちは、しつけという...