食物として摂取したエネルギーが、体内で消費するエネルギーを上回る状態が続くと、過剰になったエネルギーは脂肪となり、皮下脂肪や内臓周辺に蓄積されて肥満になる。肥満は、糖尿病、高脂血症、心疾患など様々な生活習慣病を併発することが知られており、肥満を改善することでそれらの合併症が軽減できると言われている。そこで、身近な食品等の天然物に含まれている抗肥満作用をもつ物質として最近話題を呼んでいる「ラズベリーケトン」に着目した。このラズベリーの香気成分「ラズベリーケトン」が肥満に対してどのような効果をもたらすのか、また、香りで痩せることは可能なのか調べてみた。
日本人の肥満の現状
日本人の標準体脂肪率は、成人男子なら体重の15〜18%、女子なら20〜25%であり、それが各々25%、30%以上になると肥満である。最近の国民栄養調査によると、男性は30歳代から60歳代まで3人に1人が、女性は50歳代では4人に1人、60歳代で3人に1人が肥満である。20年前までは、男性の肥満者は5人に1人もいなかったのだから、国民の肥満は著しく増加したといえる。
肥満による高い罹患率
肥満は、すべての生活習慣病のきっかけになる。数多くの薬学調査により栄養過剰の害が確かめられていて、肥満者は普通体重者に比べて糖尿病と高血圧症の罹患者が3〜4倍、冠動脈疾患は3倍、脳血管障害は7倍、高脂血症は7倍、乳ガン、卵巣ガン、前立腺ガンは2倍多く、また痛風は3倍、胆石は10倍、脂肪肝は12倍、膝痛、腰痛は20倍にもなった例がある。
肥満が引き起こす様々な生活習慣病
肥満すると、末梢組織でのグルコースの取り組みが阻害されて、高血糖と高インスリン血症が起こり、糖尿病が誘導される。
食品学各論
『食品の機能性について』
■ラズベリーの香気成分による抗肥満作用■
食物として摂取したエネルギーが、体内で消費するエネルギーを上回る状態が続くと、過剰になったエネルギーは脂肪となり、皮下脂肪や内臓周辺に蓄積されて肥満になる。肥満は、糖尿病、高脂血症、心疾患など様々な生活習慣病を併発することが知られており、肥満を改善することでそれらの合併症が軽減できると言われている。そこで、身近な食品等の天然物に含まれている抗肥満作用をもつ物質として最近話題を呼んでいる「ラズベリーケトン」に着目した。このラズベリーの香気成分「ラズベリーケトン」が肥満に対してどのような効果をもたらすのか、また、香りで痩せることは可能なのか調べてみた。
日本人の肥満の現状
日本人の標準体脂肪率は、成人男子なら体重の15~18%、女子なら20~25%であり、それが各々25%、30%以上になると肥満である。最近の国民栄養調査によると、男性は30歳代から60歳代まで3人に1人が、女性は50歳代では4人に1人、60歳代で3人に1人が肥満である。20年前までは、男性の肥満者は5人に1人もいなかったのだから、国民の肥満...