生徒指導を実効あるものにするには、個々の生徒に応じた指導目標や指導方法を適切に立案・検討・選択するための前提として、その生徒の性格や成長の度合い、抱えている悩みや問題傾向、友人関係や学級集団の中における立場などをよく知ることが必要で、これらを総じて生徒理解という。では具体的にどのようなことが理解できるとその生徒をわかったことになるのかについて考えてみたい。
生徒理解の内容は、じつに多くの事柄に及ぶだろう。しかし大きく3つの側面にわけることができる。
第1に身体的側面である。生徒の体格や身体的障害などは外側から観察することができる。また観察だけでなく健康診断や体育の授業、スポーツテストの結果などで健康状態を容易に理解することができる。しかし、青年期は、例えば性的成熟度を受容することができないなど、非常に心と体のバランスがとりにくい時期であるため、身体的な問題が生徒の悩みや不安になることも多い。従って身体的側面を把握することは、生徒をわかるためには欠かせない事項となる。
次は心理的側面の理解である。生徒の性格・情緒的特徴(情緒安定性、方性、攻撃・協調性、自律性、主導性、病理的傾向)、習癖(食事・睡眠・性・排尿・排便に関する習癖、神経症的習癖、言語上の行動問題)を知ることは、一見無関係とも思えるようなことの間の因果関係や関連性を見出し、生徒の行動の原因を明らかにすることができるためである。また知能、学力、適性などの能力においては、将来の自己実現に向けて指導する場合とくに重要な意味をもち、さらに興味・趣味・価値観、要望・希望は生徒の進路選択や決定の際に必要不可欠となってくるため知る必要がある。
そして最後に社会的側面を捉えることも忘れてはならない。
生徒指導を実効あるものにするには、個々の生徒に応じた指導目標や指導方法を適切に立案・検討・選択するための前提として、その生徒の性格や成長の度合い、抱えている悩みや問題傾向、友人関係や学級集団の中における立場などをよく知ることが必要で、これらを総じて生徒理解という。では具体的にどのようなことが理解できるとその生徒をわかったことになるのかについて考えてみたい。
生徒理解の内容は、じつに多くの事柄に及ぶだろう。しかし大きく3つの側面にわけることができる。
第1に身体的側面である。生徒の体格や身体的障害などは外側から観察することができる。また観察だけでなく健康診断や体育の授業、スポーツテストの結果などで健康状態を容易に理解することができる。しかし、青年期は、例えば性的成熟度を受容することができないなど、非常に心と体のバランスがとりにくい時期であるため、身体的な問題が生徒の悩みや不安になることも多い。従って身体的側面を把握することは、生徒をわかるためには欠かせない事項となる。
次は心理的側面の理解である。生徒の性格・情緒的特徴(情緒安定性、方性、攻撃・協調性、自律性、主導性、病理的傾向)、習癖(...