環境犯罪学は、犯罪の発生と空間に関する理論であり、犯罪はどのような状況で発生するかを考える(状況的犯罪予防)。
かかる環境犯罪学の実践的側面として3 つのポイントを挙げることができる。
1 つめに、犯罪を行うものに対していっそうの犯行努力を求めることである。例えば、施錠を一箇所から二箇所にするなどである。
2 つめに、検挙のリスクを高める(捕まりやすくする)ことである。例えば、夜間の街灯を明るいものにするなどである。
3 つめに、犯罪利益を減少させることである。例えば、ひったくりが多発する場所においてお金を持ち歩かないようにするなどである。
このように犯罪者に対してメッセージを伝えることで、犯罪者に物理的に犯行をさせないこと・犯罪者に犯行を諦めさせることが期待できる。
犯罪学 中間レポート3
選択問題番号 11.社会学的原因論の背景
環境原因論は主として社会学的原因論であり、非行少年には罪はなく処罰よりも処遇によって対
処すべきと考える。
かかる見解が誕生した背景としては、政府・政治への批判の姿勢や処罰を重視する考え方への疑
問を挙げることができる。
選択問題番号 13.新しい犯罪学はどのような背景の下で誕生したか。
従来の犯罪学は、犯罪者ないしその周辺に原因があるとして、犯罪者研究に固執しすぎていると
いう批判があった。すなわち、被害が発生してから、犯罪者がなぜ犯罪を行ったのかしか考えてお
らず、言わば事後的な措置によって解決を図ろうとしていた。...