18世紀のベッカリーア、ベンサムらに代表される古典学派は、犯罪は個人の行為であって、その「行為」は人間の自由な意思によって選択されたものであると考える。しかし、この考えについては犯罪行動の説明というよりも刑事司法制度のあり方の提言であるという実証学派からの批判がある。
古典学派は、人間は合理的な損得計算ができるものであるから、得られる犯罪利益よりも刑罰を少し重くしておけば一般予防が果たせると考える。これは、予め刑法によって刑罰を告知すれば市民は犯罪をやめるという考えである(罪刑法定主義)。しかし、人々は犯罪をやめなかった。
犯罪学 中間レポート2
選択問題番号 7 犯罪原因については古来より様々な説明がなされていた。その内容について述べ
よ。
犯罪がなぜ起こるかについては古来より様々な説明がなされていた。
まず、近世以前は鬼神論、魔人論が唱えられ、霊を出すためにムチで打つなどの過酷な刑罰がな
されたり、私的復讐・報復を回避するために封建領主によって迷信が利用されたりするなど、犯罪
原因、犯罪予防については無関心だった。
近世以降になると、犯罪は個人の行為であると考えられた。そして、「行為」は人間の自由な意
思によって選択されたものであるとする古典学派と、「行為」は人間の自由意思とは無関係に引き
起こされた...