母親への適応過程
子どもが誕生してすぐに母親としての適応がおきるのではなく,徐々になされるものである。ルービンによって明らかにされた3つの段階は、母親として適応していく段階でもあり,分娩の回復過程でもある。ルービンは母親としての適応過程とともに,自分の子どもであることを確認し,子どもとの関係を確立していく課題があることを示している。
受容期
分娩後24~48時間,褥婦の関心は自分自身や基本的欲求に向けられ,安楽、休息,食事,家族や新生児との面会といったニーズに対して受け身的で依存的である。とくに,休息の妨げとなるような身体的疼痛(会陰部の痛み,後陣痛,脱肛の痛みなど)の緩和は重要である。これの基本的欲求のニーズが他者によって満たされることにより,自分自身から生まれた子どもに関心が向けられる。
ただし,この時期では,児をみずから世話することはまれで,どのような子であるか指先で触れたり,抱き上げて顔をじっと見つめたりして,わが子を確認する。また,直接確認するだけでなく,わが子に関する他者からの情報を受け入れ,わが子の確認に役立てる。
この時期の褥婦は,分娩体験直後であるため,かなり興奮して...