「精神障害者を対象とした集団援助技術について述べよ。」
1.集団援助技術とは
集団援助技術(グループワーク)の起源は、19世紀後半にイギリスで生まれた青少年団体運動やセツルメント活動にある。1950年代に社会福祉援助活動の一法であるとの理論づけかが行われ、1970年代以降に理論の統合化の動きが始まった。日本で集団援助技術が導入されたのは1960年代以降である。
では、集団援助技術(グループワーク)とは、精神保健福祉士などのソーシャルワーカーが目的達成のために用いるソ-シャルワーク(社会福祉援助技術)の一つの方法である。グループを用いて精神障害者の障害(自己理解・行動障害・自我障害等)の受容・軽減、自己実現をめざす援助を行うときには、精神疾患の特徴を理解して、つらさを共感しつつ、社会福祉に関する知識と技術を用いて、グループでの援助を行うことが重要である。
疾病による障害がある場合に、グループを用いて援助を行う際は、疾病による障害だけではなく、利用者を苦しめている治療の副作用や、社会的参加が制限されている状況にも目を向け、それらが社会生活上の困難を引き起こしている構造を多角的に理解する...