賃借人たるCは抵当権者たるBに賃貸借を対抗するために、短期賃貸借の保護(395条)を主張することが考えられる。
短期賃貸借による保護が認められるためには、?賃貸借の期間が602条に定める期間を超えないこと(建物は3年)、?賃貸借について「登記」があることを要する。
?について、本件でCは特に期間の定めなく建物を賃貸借している。
それではかかる期間の定めのない建物賃貸借においても395条は適用されるか。
この点、期間の定めのない建物賃貸借は617条1項によりいつでも解約を申し入れることができるとされているが、借地借家法28条によれば、賃貸人は「正当な事由」がなければ解約を申し入れることができず、さらにこの「正当な事由」は厳格に解すべきとされる。
そうだとすると、期間の定めのない建物賃借権は事実上長期のものとなり、395条の短期賃貸借にあたらないようにも思える。
民法課題レポート 25
1.問題
AはBから金銭を借入れ、その担保として、自己所有の家屋について、Bのために抵当権
を設定した。その後、Aはこの家屋をCに賃貸し、Cは同家屋に居住を開始した。
(1)CはBに対して自らの賃借権を対抗しうるか。
(2)BはAC間の賃貸借契約を解除しうるか。
(3)賃貸借契約が解除されても、Cがこの家屋に居住し続けているときの法律関係を論
ぜよ。
2.回答
(1)
賃借人たるCは抵当権者たるBに賃貸借を対抗するために、短期賃貸借の保護(395
条)を主張することが考えられる。
短期賃貸借による保護が認められるためには、①賃貸借の期間が602条に定め...