はじめに
本レポートでは、情報通信手段におけるインターネット技術が、それに「技術革新」をもたらした、と規定し、それについて述べたものである。そもそも放送を除けば、通信とは、それが「のろし」であろうと、電話であろうと、1×1(ある特定の人物および、組織から、ある特定の人物および組織)の手段でしかなかった。ところが、インターネット技術は、まさにそれを革命的に変化させた。すなわち、インターネットという通信手段は、N×N(無数の人物から無数の人物)の通信手段であって、今日まで人類が手にしたことがない通信手段である。
本レポートでは、そうしたインターネット技術は、?どのようなものなのか、?それがどうして技術革新なのか、そして?市民によるインターネットの有効利用の展望について論じたい。
1.インターネット技術とは
端的に言えば、インターネットとは、単一のホストコンピュータをもたない、無数のコンピュータのつながりの一群であるといえよう。たとえば、インターネットとよく間違われるパソコン通信などは、それが情報の伝達という意味においては同じであるが伝達 "手段"の中身となるとまったく違った様相を表す。パソコン通信は放送技術と同じような仕組みを持っているのに対して、インターネットではそうしたホストコンピュータを持たない。すなわち、パソコン通信は一つのホストコンピュータが提供する情報をつながっている無数の端末によって利用される(放送に置き換えれば、一つの放送局に無数の家庭のテレビがつながっている)形態であるのに対し、インターネットは無数のコンピュータが無数のコンピュータとつながっている点で、まったく違うのである(「資料?」参照)。私は、こうした情報伝達手段を、「はじめに」で述べたように「N×Nの情報伝達手段」と呼ぶ。
レポート、経済学、技術革新、インターネット、市民によるインターネットの利用
情報伝達手段としてのインターネットの技術革新性と市民による有効利用
はじめに
本レポートでは、情報通信手段におけるインターネット技術が、それに「技術革新」をもたらした、と規定し、それについて述べたものである。そもそも放送を除けば、通信とは、それが「のろし」であろうと、電話であろうと、1×1(ある特定の人物および、組織から、ある特定の人物および組織)の手段でしかなかった。ところが、インターネット技術は、まさにそれを革命的に変化させた。すなわち、インターネットという通信手段は、N×N(無数の人物から無数の人物)の通信手段であって、今日まで人類が手にしたことがない通信手段である。
本レポートでは、そうしたインターネット技術は、①どのようなものなのか、②それがどうして技術革新なのか、そして③市民によるインターネットの有効利用の展望について論じたい。
1.インターネット技術とは
端的に言えば、インターネットとは、単一のホストコンピュータをもたない、無数のコンピュータのつながりの一群であるといえよう。たとえば、インターネットとよく間違われるパソコン通信などは、それが情報の伝達という意味におい...