ブルーナーらの現代的レディネス観が教育に与えた影響について述べよ。
ブルーナーは、学校は学問を学ぶ場所であって、社会生活をするところではないという思想をもっていた。そして、学問を学ぶにあたって、その根底にある「構造」を学ぶことの重要性を指摘して、わが国において注目を浴びたのである。
ところが、彼は「構造」とは何かについて、必ずしも明確にしていないのであるが、各教科を構成する「基本的な観念」と考えてよいであろう。たとえば、代数学における交換・配分・結合法則や物理学における保存の原理、文学における悲劇性の観念などが、これである。
構造を理解することは、爆発的な知識量の単純化の手段であり、既知を基盤として未知を切り開いていく際の、有力な武器になると考えられる。情報化社会において、表面的で雑多の知識を与えても意味がない。より深く、より根底にある観念を理解させるようにしなければならない、とブルーナーは主張する。
さらに、「どの教科でも、知的性格をそのままにたもって、発達のどの段階のどの子どもにも効果的に教えることができる」というレディネス観をつくりだした。
こうして従来の経験主義的カリ...