1.目的
本実習では、学生自身が二重盲検法による比較試験の被験者となり、暗算を指標としたカフェインの精神運動興奮作用を評価する。また、これを通してカフェインの精神運動興奮作用について知るだけではなく、臨床における薬効評価で必要となる二重盲検法の意義と方法、その際に行うべきインフォームド・コンセントやプラセボ効果、あるいは結果を評価するために必要なχ2検定やt検定などの統計学的検定法についても併せて学ぶことを目的とする。
2.原理
(1)薬効評価と二重盲検法
二重盲検法によりプラセボによるプラシーボ効果(思い込み効果)を除去し、その薬の真の薬効を確認する。
(2) カフェインの薬効
大脳皮質を中心に中枢神経系を興奮、脳幹網様体賦活系の刺激により知覚が鋭敏となり精神機能が亢進する。心臓に直接作用して心筋の収縮力を増強させ、また冠動脈を拡張させる。脳細動脈に直接作用して脳血管を収縮させ、その抵抗性を増加して脳血流量を減少する。腎臓に対し糸球体の輸入血管拡張と尿細管への直接作用によりナトリウム及び塩化物イオンの再吸収を抑制して抗利尿作用を示す。
3.方法
(1)準備
・被験者となる学生は実習前日の17:00からコーヒーや紅茶などカフェインを含むものを摂取しないようにする。
(2)試験
・試験はFig.1の試験計画に従って進められた。
・合図により第1時点から第8時点まで内田クレペリン検査用紙(TG1.1)を用いて暗算を反復し、その間の行動は比較的安静を保つ。
・各時点のはじめに60秒間の脈拍数を計測し記録する。
・各時点においては45秒ずつ3回行い、その作業量の中央値を記録する。
・層別:第2時点の計算終了後、第2時点のみの作業量の中央値によりA〜Cに層別する。
・第4時点での暗算終了後、無作為にcaffeine(+)、(-)を割り付けたカップのコーヒー全量を飲用する。
薬理学実習レポート
1.二重盲検法
1.目的
本実習では、学生自身が二重盲検法による比較試験の被験者となり、暗算を指標としたカフェインの精神運動興奮作用を評価する。また、これを通してカフェインの精神運動興奮作用について知るだけではなく、臨床における薬効評価で必要となる二重盲検法の意義と方法、その際に行うべきインフォームド・コンセントやプラセボ効果、あるいは結果を評価するために必要なχ2検定やt検定などの統計学的検定法についても併せて学ぶことを目的とする。
2.原理
(1)薬効評価と二重盲検法
二重盲検法によりプラセボによるプラシーボ効果(思い込み効果)を除去し、その薬の真の薬効を確認する。
(2) カフェインの薬効
大脳皮質を中心に中枢神経系を興奮、脳幹網様体賦活系の刺激により知覚が鋭敏となり精神機能が亢進する。心臓に直接作用して心筋の収縮力を増強させ、また冠動脈を拡張させる。脳細動脈に直接作用して脳血管を収縮させ、その抵抗性を増加して脳血流量を減少する。腎臓に対し糸球体の輸入血管拡張と尿細管への直接作用によりナトリウム及び塩化物イオンの再吸収を抑制して抗利尿作用を示す。
3.方法...