近代市民法

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    設題 近代市民法について論じなさい。

    1.近代市民法の定義
    近代市民法とは、近代市民社会すなわち資本主義社会において成立する法体系のことを言う。こ
    の近代市民社会は、政治的・経済的・社会的な自由と平等を求めるブルジョアジー(有産市民階級)
    が、個人の自由な意思による諸活動を抑圧する封建制度を打破する(いわゆる市民革命)ことにより、
    確立される社会である。

    2.近代市民法の成立及び基礎原理
    封建制度崩壊の後に形成された資本主義社会では、国家の政治権力の介入なしに、市民社会内
    部での経済活動が個人によって自由に行われることが要求された。すなわち、個人が私的に所有
    する財産は自由にこれを取引することができ、その取引に関する契約も当事者が自由に決定するこ
    とができ、また、経済取引によって損害を与えても、それが過失又は故意による場合に限り賠償責
    任を負えばよい、とされることが求められたのである。そして、これらの要求を保障するための法体系
    が必要となった。こうして、この法体系いわゆる近代市民法は 3 つの原則(所有権絶対の原則、契約
    自由の原則、過失責任の原則)の下に成立していくこととなった。...

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