「日本と世界の未来」
―宗教的観点からの考察―
・宗教対立の現状と問題
・神道に基づく日本の国民的性質
・宗教対立解決へ向けて・・・
「日本と世界の未来」
―宗教的観点からの考察―
はじめに
1945年から1989年―日本における昭和時代―は冷戦、すなわち米国中心の資本主義と旧ソビエト連邦を中心とした共産主義のイデオロギー対立の時代だった。日本が平成の時代になるとこの世界を二分した対立はソ連の瓦解という形で終結した。冷戦が終結すると次に現れてきたのが宗教間の対立である。このレポートでは第一節において中東を中心としたキリスト教・ユダヤ教・イスラム教の一神教同士の対立の現状とその問題について取り上げ、第2節では、一神教の国々と神道という固有の多神教をもつ日本人の相違点、第3節ではそれを踏まえた問題の解決策について考察していく。
第1節 宗教対立の現状と問題
今日、世界で最も宗教間の対立が激しくなっている地域は中東である。中東では、イラクやイラン、イスラエルやトルコでキリスト教とイスラム教、ユダヤ教とイスラム教の対立が起こっており、連日イスラム教過激派などによるテロなどが発生している。2008年12月末から始まったイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの空爆では、家屋4000棟が破壊され、空爆による死者は131...