1,はじめに
「障害」とひとことでいっても、その部位や程度、障害を抱えた時期、また事故や病気、その他障害を持つ理由についても実にさまざまである。障害を抱えて悩まない人はいない。悲観的になったり絶望的になったりする人も少なくないだろう。
リハビリテーションの目的である「全人間的復権」を達成するには、身体機能の回復とは別にもうひとつ大事な役目がある。それは対象者の心の立ち直りを援助することである。このリポートでは中途障害者の障害受容とリハビリテーションについて考えてみたい。
2、障害の受容
人は身体障害を抱えると、心理的にも大きなショックを受ける。障害の受容における心の変化については、キューブラー・ロスの「死の受容段階」を引用し、5つの段階に分けられている。
1段階目の「ショック期」は茫然自失の時期であり、現実がまだ理解できないでいる。2段階目の「否認期」では現実が見えてきて、障害が簡単には治らないことがわかってくる。しかしそれを受け入れられず、心理的な防衛反応として障害自体を否定する。または回復への期待感を持ち、障害を認めその回復に固執する人もいる。これ
「障害の受容について考察せよ。」
1,はじめに
「障害」とひとことでいっても、その部位や程度、障害を抱えた時期、また事故や病気、その他障害を持つ理由についても実にさまざまである。障害を抱えて悩まない人はいない。悲観的になったり絶望的になったりする人も少なくないだろう。
リハビリテーションの目的である「全人間的復権」を達成するには、身体機能の回復とは別にもうひとつ大事な役目がある。それは対象者の心の立ち直りを援助することである。このリポートでは中途障害者の障害受容とリハビリテーションについて考えてみたい。
2、障害の受容
人は身体障害を抱えると、心理的にも大きなショックを受ける。障害の受容における心の変化については、キューブラー・ロスの「死の受容段階」を引用し、5つの段階に分けられている。
1段階目の「ショック期」は茫然自失の時期であり、現実がまだ理解できないでいる。2段階目の「否認期」では現実が見えてきて、障害が簡単には治らないことがわかってくる。しかしそれを受け入れられず、心理的な防衛反応として障害自体を否定する。または回復への期待感を持ち、障害を認めその回復に固執する人もいる。これ...