私たち人間は、社会の中で、他の人間との関わりの中で日々暮らしている。その日々の暮らしの中で、助けたり助けられたり、支えたり支えられたり、時にはけんかしたり、そして仲直りしながら生きているのである。特に昨今は、高齢化が進み、お年寄りの存在をいかにして支えていくかが大きな問題になっている。また、ストレスの大きい現代、様々な精神病で苦しむ人も多い。不治の病もたくさん存在している。こうしたお年寄り、病気の人や身体的・精神的障害を持つ人、肉体的には健康であっても精神的にストレスがたまっている人などを、医学的身体的側面ではなく、精神的に援助する際に重要なことはなんであろうか。
例えば、余命短いがんの末期患者を援助する際、大切なのはその人が余生を満足して過ごすことができるようにすることだろう。この、「満足」というのは難しいもので、何に「満足」を求めるかは一人一人異なるし、その度合いも一人一人当然異なる。したがって、援助する側が自分の価値観や先入観で勝手に判断してはならない。例えば、抗がん剤の使用について、それを「多少命は長引いても苦しんでその生を終えるのならば、使わずに早く楽になりたい」と思う人もいれば、「副作用がたとえどれほど苦しくとも、戦って勝ち抜きたい」と考える人もいるだろう。また、本人の意向と家族の意向とが必ずしも一致するとは限らず、さらに、医師とのコミュニケーション不足によって望んでいない治療・治療取りやめが起こる可能性もある。援助者は、患者の希望を正確につかみ、その希望を叶えるようにできるだけ努力をすべきである。また、その際に、「援助してやっている」という態度で臨むことは許されない。「あなたのお世話をしたくて、自分がやりたいからやっている」という態度が大切である。その人の残り少ない貴重な命を、尊いものとして、本人が満足できるようにしなければならない。
人を精神的に援助する際、重要な点について
私たち人間は、社会の中で、他の人間との関わりの中で日々暮らしている。その日々の暮らしの中で、助けたり助けられたり、支えたり支えられたり、時にはけんかしたり、そして仲直りしながら生きているのである。特に昨今は、高齢化が進み、お年寄りの存在をいかにして支えていくかが大きな問題になっている。また、ストレスの大きい現代、様々な精神病で苦しむ人も多い。不治の病もたくさん存在している。こうしたお年寄り、病気の人や身体的・精神的障害を持つ人、肉体的には健康であっても精神的にストレスがたまっている人などを、医学的身体的側面ではなく、精神的に援助する際に重要なこと...