このレポートでは、「かくれた次元」という本を読んで、そこから考察したことを述べていきたいと思う。また、「かくれた次元」では、動物における距離や混みあいについて、目・耳・鼻などにおける空間の知覚について、人間における空間や距離、またさまざまな文化と空間などの関係についてなど、さまざまな観点から距離や空間について述べられているが、本レポートではその中から、空間の人類学・人間における距離・通文化的関連におけるプロクセミックス・都市と文化の章を中心として、社会的・個人的空間と、人間によるその知覚との問題というこの本の中心的テーマに、さらに環境や建築などの問題とも関連付けながら、話を進めていきたいと思う。
それでは、まず空間と人間について述べていきたい。この本では、固定相空間・半固定相空間・非公式空間という空間について述べている。この三つの空間は人間の比較的安定したなわばり性を利用した、プロクセミックスのレベルにおける空間のことを意味している。「固定相空間は個人および集団の活動を組織する上でもっとも基礎的な方法の一つである。人間が地球上を動きまわるとき、その行動を支配するのはこのデザインである。」という部分からもわかるように、固定相空間とは、我々の活動をつくり組織する空間、例えば建物などが当てはまる。それに対し、半固定相空間とはもっと柔軟な、建物に対していうと家具や設備に当てはまるようなものを指しているようである。この空間はそれぞれの文化で異なることも多い。ここでは日本とアメリカの部屋の使い方を例としてあげている。活動内容によってふすまを開け閉めし、部屋を使い分ける日本に対し、アメリカでは部屋自体を変えているということである。現在は、日本でもアメリカのような空間の使い方をしていることが多いように思うが、昔ながらの和風住宅などにそれが今でも見られる。
かくれた次元
このレポートでは、「かくれた次元」という本を読んで、そこから考察したことを述べていきたいと思う。また、「かくれた次元」では、動物における距離や混みあいについて、目・耳・鼻などにおける空間の知覚について、人間における空間や距離、またさまざまな文化と空間などの関係についてなど、さまざまな観点から距離や空間について述べられているが、本レポートではその中から、空間の人類学・人間における距離・通文化的関連におけるプロクセミックス・都市と文化の章を中心として、社会的・個人的空間と、人間によるその知覚との問題というこの本の中心的テーマに、さらに環境や建築などの問題とも関連付けながら、話を進めていきたいと思う。
それでは、まず空間と人間について述べていきたい。この本では、固定相空間・半固定相空間・非公式空間という空間について述べている。この三つの空間は人間の比較的安定したなわばり性を利用した、プロクセミックスのレベルにおける空間のことを意味している。「固定相空間は個人および集団の活動を組織する上でもっとも基礎的な方法の一つである。人間が地球上を動きまわるとき、その行動を支配するのはこの...