私はこの「朗読者」を主人公ミヒャエルと同じ法学部生の立場から読んだ上で感想を述べたい。
まず、戦争犯罪というのは戦争行為中に行われた違法行為の事で、捕虜の虐待や拷問、民間人の殺害などの行為を言う。「朗読者」に登場するハンナと言う女性も戦争犯罪者として裁判で裁かれることになるのだが、実は彼女には「文盲」と言う隠したい秘密があり、そのために恋人であった主人公の前から失踪し、戦争に手を貸す仕事に就くようになってしまったのだった。彼女は秘密がばれる事を恐れ、してもいない罪を自白し、かつての同僚にまで罪を擦り付けられ利用されることになった。主人公はこの事実を知っていても、彼女の気持ちなど様々な事を考えた挙句彼女を助けなかったのである。
このことについて私は、やはり主人公には、「ハンナの秘密をなぜ知っているのか」と問いかけられることへの恐怖心があったのではないかと思う。
ー彼と彼女の事情ー
私はこの「朗読者」を主人公ミヒャエルと同じ法学部生の立場から読んだ上で感想を述べたい。
まず、戦争犯罪というのは戦争行為中に行われた違法行為の事で、捕虜の虐待や拷問、民間人の殺害などの行為を言う。「朗読者」に登場するハンナと言う女性も戦争犯罪者として裁判で裁かれることになるのだが、実は彼女には「文盲」と言う隠したい秘密があり、そのために恋人であった主人公の前から失踪し、戦争に手を貸す仕事に就くようになってしまったのだった。彼女は秘密がばれる事を恐れ、してもいない罪を自白し、かつての同僚にまで罪を擦り付けられ利用されることになった。主人公はこの事実を知っていても、彼女の気...