現代の歴史的位相

閲覧数1,587
ダウンロード数6
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1.はじめに
     私たちが今生きている21世紀初頭は、どのような特徴を持った時代なのか。また、今後どのような方向に向かっていくのか。現代国際社会の歴史的位相に関するこうした問いについて考えるときは、その前にある近代社会、特に20世紀と比較対照させてみるのが良いと思う。そこで、まず近代はどのような時代だったのか考えてみた。そこから、現代社会とはどういった時代なのか考えてみたい。
    2.国民国家形成と資本主義
     近代という時代を特徴付けるものとして、「資本主義(Capitalism)」の発達や「国民国家(Nation State)」の形成が挙げられる。まずはこの二点を中心に、近代社会を見ていきたい。
    「資本主義」とは、生産手段を持つ資本家が生産手段を持たない労働者の労働力を商品として買い、商品生産を行う生産様式である。この生産過程で生まれる余剰価値を、資本家が利潤として得る。生産は、私有財産制度に基づいて資本家個人の利潤獲得を目的として行われる。そのため、この経済制度は他の社会制度から独立した性格を持っていた。とはいえ、資本家は獲得した利潤で自己の物質的欲望を満たすわけではない。獲

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    1.はじめに
     私たちが今生きている時代は、21世紀初頭である。これは、どのような特徴を持った時代なのか。今後どのような方向に向かっていくのか。現代社会の歴史的位相に関するこうした問いについて考えるときは、その前にある近代社会、特に20世紀と比較対照させてみるのが良いと思う。そこで、まず近代はどのような時代だったのか考えてみた。そこから、現代社会とはどういった時代なのか考えてみたい。
    2.国民国家形成と資本主義
     近代という時代を特徴付けるものとして、「資本主義(Capitalism)」の発達や「国民国家(Nation State)」の形成が挙げられる。まずはこの二点を中心に、近代社会を見ていきたい。
    「資本主義」とは、生産手段を持つ資本家が生産手段を持たない労働者の労働力を商品として買い、商品生産を行う生産様式である。この生産過程で生まれる余剰価値を、資本家が利潤として得る。生産は、私有財産制度に基づいて資本家個人の利潤獲得を目的として行われる。そのため、この経済制度は他の社会制度から独立した性格を持っていた。とはいえ、資本家は獲得した利潤で自己の物質的欲望を満たすわけではない。獲...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。