ヨーロッパ倫理思想-アリストテレスまで
ミレトス学派の人々は世界を構成する多種多様なものたちを統べる不滅の何者かが存在すると考えた。ここではそれが何かの答えを規定するのが重要なのではなく、不滅な実体を探求したこと、複雑な現象から単純な実体へと一般化する試み、擬人的な神々の非倫理的介入を排除して現象の運動を法則によって説明しようとしたその合理性に意味があるのである。
イオニア学派のパルメニデスは「存在」は不生不滅、単一不動であるとし、後のデモクリトスの原子論、プラトンのイデア論へと道を拓いた。しかしデモクリトスは「無は有に劣らずある」としパルメニデスとは少々袂を分かってこの「存在」に 「等質...