フェミニズムとポストコロニアリズムの交差
西洋、あるいは白人が近代的な主体を構築する際に、自らの危険な過剰性を植民地におけるネイティブの属性に転化し、それによって近代的主体の一貫性を保持しようとしたのが、植民地主義の精髄である。すなわち自らが持つ矛盾性や非近代的なものを原初的で価値転覆的な要素であるとして、ネイティブという他者に与えて周縁化したのである。他者として排斥される者は、植民地主義においてはネイティブ、非西洋人であるが、西洋の父権主義のもとでは女性もまた他者として抑圧され続けてきた。価値中心に対する周縁として他者化されてきた非西洋、女性たちの復権を再構築することを求めるのが、それぞれポストコロニアリズムとフェミニズムの焦点であると解釈できるが、本レポートではこの両概念が交差する場所における言説を取り上げてみたいと思う。そうすることによって、コロニアル言説そのものにも包含されているセクシュアリティの概念を検証することになるのだが、具体的には二重の意味で他者化される者たち(ネイティブ、第3世界の女性)の在り方を探ってみる。
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2002年度 社会学特殊講義 期末レポート
フェミニズムとポストコロニアリズムの交差
西洋、あるいは白人が近代的な主体を構築する際に、自らの危険な過剰性を植民地におけるネイティブの属性に転化し、それによって近代的主体の一貫性を保持しようとしたのが、植民地主義の精髄である。すなわち自らが持つ矛盾性や非近代的なものを原初的で価値転覆的な要素であるとして、ネイティブという他者に与えて周縁化したのである。他者として排斥される者は、植民地主義においてはネイティブ、非西洋人であるが、西洋の父権主義のもとでは女性もまた他者として抑圧され続けてきた。価値中心に対する周縁として他者化されてきた非西洋、女性...