農地改革とは、従来の農地制度は農民の地主に対する従属的関係と高率物納小作料制度が日本経済の封建制の代表的な物であると考え、行われたものである。主な内容としては、不在地主の一層、自作農の創設と保護、小作料の金納化と適正化であった。自作農創設のために、不在地主の所有する小作地全部と在村地主の所有する小作地1町歩を超過する分及び、自作地と小作地の合計が3町歩を超える場合にはその超過部分の小作地を2カ年で国が直接買収して小作人に売り渡すというものである。小作料については、小作料を金納制にして、小作料額に田は収穫高の25パーセント、畑は15パーセント以下とする最高限度をもうけた。
この改革で、全耕地の45パーセントあった小作地が改革後には12パーセントに減少した。しかしこの農地改革で完全に農村が民主化したわけではない。在村地主の小作地1町歩が保有地として残ったこと、多くの地主が保有地内の小作地を買収されずにすんだこと、多くの地主が改革前に小作地を取り上げて買収を免れたということがあった。農地を公定価格で年賦で買い入れることができなかった貧農にとってはこの改革は全く無意味であった。また、放牧地...