施設養護の体系について整理し、その根本原理や実践における留意点について。
児童養護は家庭養護と社会的養護との体系で成り立っている。家庭養護とは、出生した家庭で親によって行われる保護・養育、つまり養護を受けて育つことである。
社会的養護とは、親以外や家庭以外の場で行われる養護である。社会的養護には、施設養護と家庭的養護に分けられる。
施設養護とは、24時間体制の生活保障をしながら指導・援助を受ける居住型養護と、1日のうち一定の時間に限って各種療育を受ける通園型養護の2つがある。
家庭的養護とは、親や保護者のいない児童や家庭を失った児童を、生活歴や環境からみて、一般の家庭と同じような心で温かく、家族メンバーの一員として受け入れ養育してもらえる家庭に委託するものである。母子生活支援施設・里親制度・家庭養護寮などがある。
施設に置ける養護対象は、満18歳未満の児童であり、問題別にとらえると大きく3つに分類される。家庭関係からの問題を持つ児童、身体や精神に問題を持つ児童、社会適応面において問題をもつ児童である。
社会養護である施設養護のはじまりは明治期であるが、代表的な施設として...