金融の基本的な役割は、資金の出し手から受け手へ、資金を融通することである。この役割があるからこそ、事業資金が不足している企業でもお金を調達して活動を拡張することができ、それによって経済全体の規模が拡大していくのである。このように、世の中にあるお金を有効利用することで経済活動を活性化させる仕組みを「金融」と呼ぶ。また、このような金融取引に関わるお金の流れ全体をマネーフローと呼んでいる。
金融の形態は大きくは直接金融と間接金融に分かれている。株や債権の購入などによって投資家と企業が直接結びつく金融を直接金融と呼ぶ。直接金融は、資金の出し手・受け手の関係がシンプルなだけに自由の利くシステムである。ただし、直接金融では、投資家には原則として、投資することで得られるリターンもリスクも自分で判断する自己責任がある。そこで、資金の出し手と受け手の間に金融仲介機関が介在し、資金を集めたり融通先を決定する。それを間接金融と呼んでいる。
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金融の証券化について着目すると、1980年代に入って生じた世界的な金融構造の変化のひとつとして、金融の証券化の進展が指摘できるだろう。一般に証券化というのは、企業の資金調達において、銀行借入のウエイトが低下し、株式や社債などの証券形態のウエイトが高まることと、銀行やリース会社などが貸出債権などの一部を分離して債権の形に変え売却すること、の2つの意味で使われる。今日では、主として後者を指して証券化と呼んでいる。わが国における証券化の動向をみると、近年、企業の長期資金調達において、従来の株式に加え、普通社債、転換社債などの発行が急増するとともに、短期資金の調達手段としてCP(コマーシャル・ペーパー)が発行されるなど、証券形態での資金調達が拡大している。
~ 矛盾した金融構造とマネーフローの歪み ~
金融の基本的な役割は、資金の出し手から受け手へ、資金を融通することである。この役割があるからこそ、事業資金が不足している企業でもお金を調達して活動を拡張することができ、それによって経済全体の規模が拡大していくのである。このように、世の中にあるお金を有効利用することで経済活動を活性化させる仕組みを「金融」と呼ぶ。また、このような金融取引に関わるお金の流れ全体をマネーフローと呼んでいる。
金融の形態は大きくは直接金融と間接金融に分かれている。株や債権の購入などによって投資家と企業が直接結びつく金融を直接金融と呼ぶ。直接金融は、資金の出し手・受け手の関係がシンプルなだけに自由の利くシステムである。ただし、直接金融では、投資家には原則として、投資することで得られるリターンもリスクも自分で判断する自己責任がある。そこで、資金の出し手と受け手の間に金融仲介機関が介在し、資金を集めたり融通先を決定する。それを間接金融と呼んでいる。
直接金融の比重が高いアメリカやイギリスに比べて、戦後の日本では間接金融が主体であった。金融仲介機関の代表格である銀行...